2025/05/09
聴く
こんにちは。今日は「聴く」について書いてみたいと思います。「きく」と言うと、「聞く」をすぐに思いつきますが、辞書や本などではきちんと定義しているようです。私の頭の中では、「聞く」と言う場合は、それほど強い意志はなく、単に聞くと言う感じですが、「聴く」と言う場合は、かなり意志を持って聴こうとする感じがしています。
「聴く」について面白いことを言っている人がいます。神様は人間の口は一つであるが、耳は二つであり、しゃべる事よりも、聞くことの重要性が2倍であることを教えていると言っています。「聴く」と言う字をよく見ると、左側に耳があって、右に横になった目があり、下に心があります。耳と目と心で聞くと言うことは、全身で相手の言葉に耳を傾けることになるのだそうです。(働き方の教科書、新将命著、ダイヤモンド社参照)この聴と言う字をよく見ると、横になった目と言う字の上に十と言う字もあるので、目で見たり、耳で聞くことの十倍心を込めて聞くことと言う意味が含まれているのかもしれませんね。
私は小学校に入学するその日に母から、「授業中は、先生の顔をよく見て、聞き漏らさないようによく話を聞くのよ。」と言われました。当時は何気なく母の言葉を聞いていましたが、後になって考えてみると、これは人の話を良く聴くこと、言い換えるならば、積極的に相手の言おうとすることを自分に取り入れる姿勢が大切であると言うことを教えようとしていたように感じました。その後、年とともに小学生の頃の純真さは失われ、人の話も、適当に聞く術をマスターし、ある時は聞き流し、ある時はちょっと真剣に聴くというように使い分けることも覚えました。高校生の頃は、受験に必要な科目の授業は聴くが、それ以外の授業はいわゆる「内職」をして、先生方には大変失礼な行為を平気で行っていました。
年齢を重ねるとともに、「聞く」ことが多くなり、「聴く」ことが少なくなっていくような気がします。サラリーマン生活を長年続けていると、世の中の夫は、家に帰ると奥さんからいろいろな出来事を報告されたり、意見を求められたりすることが多くなるようです。私も例外ではなく、同じようなことがありました。私はなんとなく、日常のご近所のことを聞かされても、良くわからないところもあり、煩わしい気持ちになり、適当な返事をしていました。とても聴く態度とは言えない、聞いていると言うだけの姿勢だったようです。妻の不平、不満などを聞きながら、どうしてこんなことを言っているのだろうと思い、こうしたらどうかなどと、解決策を提案したこともありました。しかし、後になって、ある本を読んでいたら、妻が夫に何かを話す場合は、解決して欲しいなどとは思っておらず、単に聞いてもらいたいだけだという事を知り、自分の愚かさに気付きました。
聴くことは大切であり、聴いて何かを解決することはもっと大切であると考えがちですが、実は、聴く行為そのものが最も大切であることが最近わかってきました。聴くという事は、相手を尊敬し、尊重していることの印であります。このような自分を認めて尊重してくれる人には必ず好感を抱き、そこから本当の意味での良い関係と解決策が生まれると気付いた次第です。
私は現在結婚相談所を開いて、お見合いのアレンジなどをしています。私は男性に対しては、男性のおしゃべりは3割、女性のおしゃべりは7割が適当だといつも言っています。男性は極力聞き役に徹し、女性が何を訴えたいのか、何を聞いて欲しいのか、をよく観察して欲しいと思っています。男性はその場で解決策など提案は不要ですが、女性の言うことを心から相手を尊重して、事実や実態をよく聞く態度が必要です。
これは結婚した後も同じです。聞くことは、相手を心から尊重することに繋がるからです。婚活の基本は、相手のことを自分のことと同じように聴くことだと思います。応援しています。頑張ってください。

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JINSOブライダル 専属カウンセラー 秋山和人(あきやまかずと)
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