2025/12/01
親心と婚活をめぐる思い
人間であれ動物であれ、誰にでも親は存在します。立派な親もいれば、そうでもない親、そしてごく普通の親もいます。一方で子供にとっても、尊敬できる親もいれば、そうでない親もいます。しかし、子供は親を選ぶことはできません。親だけが、子供を持つかどうかという大きな決断を下せるのです。
先日、かつて私の所属していた部門で働いていた方のご子息の親御さんから、本とお菓子をいただきました。おそらく息子さんのために少しでも良い影響を与えてくれたのではと感謝してくださったのでしょう。そのお気持ちを感じて、あらためて「親とは何と有り難い存在か」と思わされました。
犬や猫でも、子供が生まれれば体のそばに置き、舐めたり乳を与えたりして命がけで守ります。侵入者が来れば牙をむき出しにして威嚇する。母性や親心の本質は人間と同じです。
一方で、「親の甘茶が毒となる」という諺もあります。過剰な愛情は時に子供を弱くしてしまうこともある。親は盲目的に愛し、子供も親の愛情が害になるとは気づきません。「親の心、子知らず」「親思う心に勝る親心」という言葉のように、どれほど子供が努力しても、親心には及ばないのです。
親心と婚活の現場
婚活の相談所を運営していると、親心そのものを目にする場面が少なくありません。
「娘が結婚適齢期なのに結婚する気配がない。良い人がいたらぜひお見合いを…」
「息子が全く動かないので、親として心配で…」
そんなご相談が親御さんから寄せられるのです。入会には独身証明書が必要ですのでまずは取得をお願いするのですが、実際には親御さんの焦りだけが表面化して、本人が動かず進展しないケースが多いのです。
結婚は本人の意思がなければ絶対に進みません。親が無理やり子供をその気にさせることはできません。では、親にできることは何か。
- 結婚しないまま一人で生きることが、実際には大きな不便や忍耐を伴うことを少しずつ伝えること。
- そして、親も永遠には子供を守れないことを本人に理解させること。
- その上で「困っても死にはしない。自分で乗り越えていく力がある」と信じて見守ること。
親心とは、ただ与えるだけではなく「見守り」「時に手を放す」ことも含まれるのだと思います。

JINSOブライダル 専属カウンセラー 秋山和人(あきやまかずと)
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