こんにちは。今日は人のぬくもりについて書いてみたいと思います。現代社会は機械や電子データなどデジタルなものが多くなり、アナログ的な物はだんだん少なくなって来ているように思います。先日ＴＶを見ていたら、秋田県の角館の職人の作る茶筒が紹介されていました。桜の木の皮で作られるその茶筒は、普通の家庭で使われている金属の茶筒とは違い、木のぬくもりと人の手の温かみが伝わる素晴らしい芸術品でした。職人が心を込めて何日もかけて作る作品は、精緻で、品があり、見ているだけで心が和むものでした。

　私は１０年ほど前に浅草に住んでいました。浅草に住み始める時に、浅草の町を見学するつもりで人力車に乗りました。生まれて初めて乗る人力車はどんな乗り心地だろうと期待していましたが、何とも言えない心地よさに心が躍りました。現在は、町の中を走ると言えば、車ばかりですが、車夫が引く人力車は、スピードは出ませんが、揺れもなく静かで、車輪の大きさがちょうどよい高さを保ち、目線が普通より上になり、ものを見下ろす感覚も心地よさを助けているようでした。ポイントごとに車夫の解説が入り、質問したり、答えてもらったりと言った会話も楽しいものでした。明治、大正時代には、このようなことが日常的に行われていたのだろうなどと想像していました。私が向かった浅草神社の横手から、結婚式を終わった白無垢の着物を着た花嫁さんとお婿さんを乗せた人力車がこちらに向かって走ってきます。両サイドには、二人の車夫が提灯を立て、まるで映画のワンシーンのような景色が目の前で展開されています。私を乗せた人力車はしばらくそこで止まり、そのカップルを祝福しました。何とも言えない情緒あるシーンでした。

　人力車、人の力が前面に出てくるものは、どことなく安心感があり、温かみを感じます。手作り、手編み、手書き、など人の手のぬくもりを感じられる物は、貴重な感じがします。

　昨日家の近くのかごや木のお弁当箱などを売っているお店の前を通ると、表に近いところに、手作りのような、ヘリコプターとバイクのおもちゃが売られていました。その素朴さと温かさに引き寄せられて買ってしまいました。部屋の天井からひもでつるして楽しんでいます。これから人々に感動を与えるものは、便利さ、速さ、正確さよりも、温かさだと思います。

　婚活で素晴らしい人を見つけて、人のぬくもりを感じて欲しいと思っています。角館の茶筒よりも、浅草の人力車よりも、木のお弁当箱、手作りのおもちゃよりも、ずっと温かい気持ちと優しさを持った人に巡り合えますように、心から応援しております。